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2022/05/04

GAT音響処理加工ってなに?他の処理とどう違うの?

こんにちは。
GAT Custom Brassです。
今日は、弊社の新技術、GAT音響処理加工についてご紹介させていただきます。 
 
GAT音響処理加工とは?  
GAT Custom Brassが提供する、今までにない音響処理加工方法の名称です。
現在、GAT Extreme音響処理加工とGAT Platinum音響処理加工をラインナップとして展開しております。  
 
GAT音響処理加工の特徴は?  
楽器は唇やリードで発生した振動を共振=共鳴することで空間にその振動(音)を伝達させます。GAT Custom Brassは、管楽器の振動と一括りにされがちな部分に対して、管体を構成するパーツそれぞれには個別の役割があり、それらの役割に特化した分子配列になるように整頓すれば更に楽器の持つキャラクターを活かせるのではないか?と考え、それぞれの部位別に設計した音響処理を行なっております。  
たとえば、マウスピース用のGAT音響処理加工をチューニング管に施工しても、ただ「鳴る」ようになるだけで音楽的なフレーズ作りや響き作りに貢献できるか、というと100%そうとは言い切れない部分が出てきてしまいます。
実際に、設計段階でさまざまな施工を試したのですが、マウスピース用の施工をベルやチューニング管に施すと、「鳴るけど制御できない」「欲しい抵抗感が減ってしまう」「音色の使い分けが難しい」などのデメリットが生じました。
このような経験から、我々GAT Custom Brassでは楽器の各部位に合わせた専用の音響処理を設計し、それぞれのパーツにとって最適な方法で施工することで、より操作性に優れ、響きを引き出すことができる楽器にすることができるようになりました。 
 
GAT音響処理の効果は? 
一言で言うと、『より操作しやすく、より響きの良い楽器』になります。
具体的にはこのような効果を体感することが可能です。  
レスポンス(反応)の向上
息を入れた瞬間から振動を作り出すことができるようになり、タイムロスを感じにくくなります。また、レスポンスが良くなることで、高速パッセージ等の音粒が綺麗に揃いやすくなります。  
音程の成分の増大(音の密度の向上)
唇で作られた振動が効率良く楽器に伝達されるのでエアノイズが減り、音の密度が向上します。その結果、より艶やかな音色、美しい音色で演奏できるようになります。 
より豊かで立体的な響き
振動効率を高めることで本来持つ性能を引き出すことができるようになります。その結果、より豊かでホール全体に広がる立体的な響きを生み出すことができるようになります。 
全音域に渡る均質な音質
振動効率を高めることで低音域から高音域まで安定した音質を作り出すことが可能です。 
ダイナミクスレンジの増大
囁くような繊細なピアニッシモから、ホールの床を揺らすフォルテッシモまで更に幅広いダイナミクスレンジで演奏することが可能になります。 
明瞭性の向上
レスポンスが向上、音の密度の向上により、よりクリアな輪郭で演奏することが可能です。客席の1番後ろで聴いていても、音粒の良さが際立つようになります。 
音色の種類の増大
柔らかい音色から硬い音色、暗い音色から明るい音色、さまざまな音色を容易に使い分けることができるようになります。 
アーティキュレーションのつけやすさの向上
フレージングの表現に欠かせないアーティキュレーション。レガート、アクセント、スタッカート、テヌート、ありとあらゆるアーティキュレーションを正確に演奏することが可能になります。 
音域の拡大
今まで楽器側の問題で出せなかった音域でも音を出すことができるようになることがあります。通常音域でも、今以上の演奏クオリティを出すことが可能です。 
遠達性の向上
 
振動効率の向上により、更に遠達性が向上しています。 
このようにたくさんの変化を感じ取ることができます。今の楽器のキャラクターを変えずに、性能を大きく向上させることができるのがGAT音響処理加工の大きなメリットです。 
 
GAT Extreme音響処理加工とGAT Platinum音響処理加工の違いは? 
最初はGAT Traditional音響処理加工からスタートし、徐々に更に洗練された音響処理加工へ進化を遂げました。
GAT Extreme音響処理加工はよりパワフルな鳴りが特徴です。
GAT Platinum音響処理加工はGAT Extreme音響処理加工の性能を更に向上させた結果、更に立体的な響きを引き出すことができるようになり、ホールでその威力を発揮することができるようになりました。
奏者の好みにより、GAT Extreme音響処理加工が好き、GAT Platinum音響処理加工が好きと分かれますので、お好きな方をお選びくだされば幸いです。 
*GAT Traditional音響処理加工は廃盤になりました。  
 
音響処理加工って戻すことはできるの? 
管楽器の製造・リペア・カスタマイズどれにも共通していうことができますが、なんらかの作業をして「元に戻す」というのは不可能です。
何をしても音は変わります。極論、楽器ケースに入れてどこかへ持ち運ぶだけでも音は変わっています。ケースに入れる僅かな衝撃や地面からの振動を受け、少しずつ変化しているからです。
このような変化は不可逆的なものになりますので、元に戻すことは絶対にできません
リペアなどで「元に戻せますよ」と言われたら、それは大雑把に発言されているか、嘘をついているかだと思っても構わないです。
ただ、このような"変化"を元に戻せなくても、元に近い状態に"変化させ"近づけることは可能です。
何をしても音は変わる。そして元に戻ることは決してない。
これだけは覚えていただきたいことです。 
 
最後に 
GAT音響処理加工について、少しご紹介させていただきました。
ここだけでは語れないこともたくさんあります。
何かご質問等ございましたら、弊社公式LINEもしくはお問合せフォームより、ご連絡くださいますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

GAT音響処理加工ってなに?他の処理とどう違うの?
GAT音響処理加工ってなに?他の処理とどう違うの?

名古屋市中川区にて、トランペット・トロンボーン・サックスなどの販売、楽器リペアを行っています。